臨機応変な対応がサービス提供責任者には必要
ホームヘルパーとして一人の利用者の自宅に訪問介護の仕事に行くと、ある変化に気が付くことがあります。
例えば高齢者夫婦二人だけの暮らしですが、病気の妻を夫が支えている場合があります。妻は食事はセッティングしたら一人で食べられてトイレには何とか介助なしでも行くことが出来ますが、料理や洗濯などの家事が出来ません。そこをヘルパーの支えによって、夫がこなしています。
しかしある夏、いつも整理整頓できているキッチンにゴミや洗い物が目立つようになりました。夏バテかなとスタッフも気にしていませんでしたが、冷蔵庫から電話の子機やリモコン・殺虫剤などおかしな物がはいっているようになり、会話や表情にもしまりがありません。どうやら夫は認知症を発症しようでした。
この様な場合担当スタッフから報告を受けたサービス提供責任者は、ケアマネジャーに報告をします。ケアマネジャーが現状を確認したところで主治医や家族に相談をして、ケアプランの変更が検討されます。ケアプラン変更の時は必ず関係機関が集まってサービス担当者会議を開きますが、ヘルパー代表で出席するのがサービス提供責任者の仕事です。
ご本人を取り巻く状況と家族の要望を織り交ぜて、安全な暮らしていけるケアプランが作成されます。ヘルパー部門は生活の支援が中心なのでヘルパー同士の連携を密にして、介護や暮らしの環境変化に合わせたサービスを提供します。
このような介護者が認知症に罹る事例は実は少なくなく、サービス提供責任者の能力が試されます。